設計演習

2013年5月29日水曜日

B4 第四課題「アッサンブラージュの箱」

箱の中にものを配置する

コンピューターの登場以降、表現はコピー&ペーストを前提にした世界に替わりました。
音楽はサンプリングが当たり前になり、画像はインターネットから拾ってくることが当たり前になりました。
とはいえ、たとえパソコンから印刷ものであっても、
そこにある「たった一つの実物」というのは常にある力をもっています。
アッサンブラージュとはものを組み合わせて製作する美術技法です。(コラージュの立体版です。)
組み合わせるものはどんなものでも構いません。
ただし、身近にある「もの」それ自体に宿る力を見出して、それらを組み合わせることで新しい発見があるように箱の中にレイアウトしてください。

立体作品
・箱のなかには身近にあるものを配置すること。
・箱はA4サイズ×5cm程度のものが望ましい
・箱は蓋をあける形式でも前面にガラスやアクリルにして覗き込むスタイルでもよい。
・中身および箱は紛失する可能性を考慮してあまり高価なものは使用しないこと
・その他「光の箱」で禁止されていたものは使わないこと

ポイント
・箱は堅牢である方が望ましい

・箱や構成する内容物については、以前から身の回りにあるようなものを利用したほうが望ましい。(そのように見せかける、という方法もある)

提出日:5月22日(水)

1X12A089 鈴木 栄三郎  A+++



黒い箱にアクリル窓がついている。背面はキャンバス地に田園風景が描かれている。背景と同じ風景の写真の束が手前におかれている。そして、波のような黒いかぎ型のものが配置されている。かぎ型はなんどもはりなおされた跡が残っている。
かぎ型は何を意味するものかはわからない。しかし、この黒い箱にとじこめられた痕跡はたしかに見るものの心をひっかくような、胸にざわめきを感じさせる。 (高橋)

1X12A052 金子 達哉  A+++



「砂色」。背の低い横長に引き伸ばされた箱に、整然と並べられたガラス瓶にさまざまな粒子や色合いの相違した砂が詰められている。コルク栓の下端にまで接して内容物が詰められ、色彩のグラデーションを砂が持つことで、サンプル素材という名辞をこえた物質感を重量とともに持した表現作品へと高められている。 (入江)

1X12A037 太田 紀子  A+++




古びた黒い別珍張りの使い込まれた風況の箱の中には色とりどりの積み木のピースが並んでおり、その上におかれたコルクボードには角がとれたピースが磁石で絡まりついた知恵の輪と一緒に釘で打ち付けられている。蓋の裏には金槌とヤスリがおかれ、全体として小さな工具箱が表現されているが、工場の壁の一部が切り取られて提示されているようにも見え、そこからは現場のライブな空気が感じられる。(安東)

1X12A173 丸山 由香  A++



メガネの詰め込まれたハコの奥に視力検査のパターンが印刷された作品。おそらく作者本人のメガネの変遷と視力の変化に伴うレンズの度の変化を、パターンのユガミとして表現している。非常にユニークな着想だが、弱冠課題の意図からズレてしまったか。(山本)